2011年5月7日土曜日

ソニー・御殿山界隈

港区御殿山界隈。ソニー旧御殿山エリアである。ソニー創業の地は中央区日本橋であるらしいのだが、そのすぐ9ヶ月後にはこの御殿山界隈に本社を移転しており実質的にはこのエリアが創業の地と言って良いだろう。昔ここには比較的小さな棟がいくつかあったが、その中でも大きな2(?)号棟には棟内に食堂や本屋などもあった。エレベータは深いストロークのある押しボタン式で、なんとなれば釦を戻してキャンセルすることもできた。建て増しを繰り返した跡が所々あり、棟内は迷路のように複雑で、私のような新参者には迷子になりそうであったが、何かそこに勤務する人は自由に仕事をしている感じが強く感じられた。まさに「自由闊達なる理想工場」という感じだった。今の過当競争時代にあっては、他の事業所でもさすがにそんな緩い感じはないのであるが、ここには「自由な研究」という言葉が唯一当てはまる雰囲気があったように思う。そういう雰囲気を醸し出せたのもこのエリアが高輪から続く高台にある、非常に閑静な場所だったからに違いない。人が環境を作るのかも知れないが、実際には環境によって人が作られるのが正しいのではないだろうか。


ぎすぎすした工場地帯にあれば、そこに働く人達はその環境によりストレスを生む職場環境を作ってしまう。そういう例は私の経験も含めて枚挙にいとまがないのである。
 この地は売却され、積水ハウスによって「御殿山プロジェクト」として再開発されている。設計は日建設計である。開発の基本コンセプトは「邸宅のようなオフィス」。住居とオフィスとショッピングゾーンから成っている。近くを通ると、壁の厚さから来る重厚すぎる感じが、僕ら庶民からは近寄りがたい雰囲気を醸し出している。高輪といっても、、これではちょっと敷居が高すぎるのでは無いかしらんと思ってしまうのである。